ブログを拝読頂き、ありがとうございます。
正直・節約マン(ション)小沼です。
◇前回に引き続き、写経的に引用させて頂くのは、中央区新富に事務所がありますNPO法人リニューアル技術開発協会 2022年12月17日 講師の鶴田さんが作成した資料の後半部分です。
「排水設備」の基本的な知識が適度な分量でまとめられています。マンション管理の内容を皆さまと共に蓄積し、より良いマンションライフの一助になりましたらと思います。
<引用させて頂くNPO法人リニューアル技術開発協会さんに、何かしら橋渡し役ができましたらとの想いも込めまして。>
マンションの排水は「汚水」「雑排水」「雨水」の3つ。
「汚水」はトイレ、「雑排水」はキッチン、浴室、洗面台、洗濯機置き場などの水回り諸設備の配管を通じ、排水。
「雨水」は敷地、屋上、外壁、共用廊下、バルコニー等のスラブに敷設された配管を通じ排水。
※排水に伴う脱気、脱臭のため最上階住戸に通気管を設け、屋上に開放する。最近のマンションでは、通気管は使用せずに、特殊継手により通気をする。
※排水管の材質を鋳鉄管にすると、結露や排ガスにより劣化しやすい。
排水管の材料:
・亜鉛メッキ鋼管(SGP)
継手は、ねじ切りをするため錆びやすく、現在ではあまり使われていない。
・塩化ビニルライニング鋼管(DVLP)
継手は、機械式の可撓(とう)継手を使い、この部分が不良だと錆が生じることある。
一般的に雑排水管に使われることが多い。
・鋳鉄管(CIP)
耐久性、耐候性、遮音性に優れているが、重量があり施工性は悪い。現在では、汚水管に使われることが多い。
・硬質塩化ビニル管(VP)
施工性、経済性に優れ、錆に強く専有部分の横引管に使用されることが多い。
ただし、耐火性が無いので、防火区画を貫通する縦管には、そのままで使用できない。
<耐火材により被覆が必要>
・耐火二層管(FDP)
硬質塩化ビニル管と同レベルの性質を持ち、且つ耐火性を持たせるため、外部に繊維モルタルで補強されている。、防火区画を貫通する縦管に使用できるが、鋳鉄管と比べ、機械強度や遮音性は劣る。
・耐火性硬質塩化ビニル管(FSVP)
内外面の硬質塩化ビニルと、高温になると大きく膨張し、断熱、耐火層を形成する特殊な中間層の三層から成る耐火性塩ビ管。 継手に耐火DP継手を組み合わせることにより、防火区画を貫通する縦管に使用できる。
・銅管(CUP)
以前は使用されていたが、材料が高価、継手に特殊な継手が必要であり、特殊な加工を要する等 使い勝手の悪さより、現在は、あまり使われていない。
・アルファコーティング管
銅管を塩化ビニル樹脂などで、どぶ付けコーティングした管。特殊なソベント継手を使う。内部の樹脂に傷がなければ、耐久性は高い。
雑排水管の変遷:
・一番古くから使われている材質は硬質塩化ビニル管、1980年くらいから防食用塗膜鋼管(タールエポキシ塗装、MD継手)、1985年くらいから耐火二層管が使われている。
汚水管の変遷:
・1970年前半くらいから鋳鉄管(ゴム輪接合)、85年くらいから鋳鉄管(メカニカル接合)、90年前半くらいから硬質塩化ビニルライニング鋼管が使われている。
・各調査機関によるデータ統計に耐用年数を考察すると、鋳鉄管(CIP)35~45年、硬質塩化ビニル管(VP)、耐火二層管(FDP)30~40年、硬質塩化ビニルライニング鋼管(DVLP)25~40年
※鋳鉄管は縦管は耐久性が高いが、横引管は劣化しやすい。
※硬質塩化ビニルライニング鋼管は、継手を使用しない。
◎現在は樹脂製である硬質塩化ビニル管(VP)、耐火二層管が耐久性、費用面から主流とされている。
改修工事に使われる排水管の材料を各チェック項目「日常生活」「品質」「防災性」「経済性」により評価、判断しますと、
◎耐火性硬質塩化ビニル管(FSVP)<遮音性を考慮すると裸配管よりGW巻にする>
が一番良く、〇耐火二層管(FDP)が二番目です。
排水管の改修工事の工法は主に6つ。
・更新(取替え)工法は、「樹脂系配管」「金属製配管」に更新の2つ。
・主な更生(ライニング)工法は、「樹脂ライニング」「チューブ反転」の2つ。
・特殊な更生工法は、「更新と更生をミックスしたHAM‐J工法」「洗浄痕再生のHJインコア工法」の2つ。
費用面だけを取り上げますと、
更新>HAM‐J工法【更新+更生】>更生【樹脂密着工法】>更生【HJインコア工法(洗浄痕再生工法)】の順です。
お金にゆとりがあれば更新で、そうでないときは、どの更生工法で行うかは、信頼できる専門家とよく協議して選択、判断ということになりますのでしょうか。
※改修計画のポイント①
・トイレ(汚水)、浴室、キッチン等(雑排水)の3本の通気管をそのまま更新(取替え)するか、特殊継手を用い通気管不要にするかを選択、判断する。
・縦管は現状のままの分流式か、1本にまとめる合流式の単管方式に変更するかを選択、判断する。
※改修計画のポイント②<かなりテクニカルな内容です。>
[共用部分(縦管)]
・樹脂管を採用する場合、配管の収縮を考え、伸縮継手の使用が必要。
・縦管の敷設場所に応じ、遮音対策が必要。
・耐火性硬質塩化ビニル管(樹脂管)を採用する場合、特定された継手の使用が必要であることに注意する。
[専有部分(横引管)]
・下の階の天井部に管を敷設(スラブ下配管)する場合、遮音対策が必要。特に塩化ビニル管は流水音が響く。
〇本施工に着手する前に、1系統試験施工を実施し、配管の納まり、作業手順、作業時間等を確認しておくことが大切。
・配管材料は、「消防認定」を確認しておく。
※私が理事長をしています築50年超、総戸数100戸強のマンション7、8年前に住宅金融支援機構より借入をし、更生工事をしました。
私の家の更生工事に似た事例がありましたので、復習の意味も含めて、取り上げさせて頂きます。
・ポイントは「上下階貫通部は更生工法にて改修」、「浴室トラップは更生工事にて改修」⇒私の家のように、高経年マンションは更新できない、もしくはできなくはないがかなり高額工事になる場合、『更生工事』することになります。
・こちらの事例は3日間で作業。2日目の1日は排水制限あり。
・躯体貫通部(床天井スラブ部分)の既存縦管は、耐久性のある「形状記憶樹脂を貼り付ける」更生工事。 更新する縦管と既存縦管のつなぎ目は「NO-HUB継手」で接続。
・浴室の排水トラップ更生工事の手順:
最初に施工箇所を施工するために、下の階の配管を一部切断
⇒施工箇所内部を研磨、洗浄
⇒防水層に埋まっているT5B(上図の記載箇所、参照)の内部や、貫通して下の階に抜けている管内に、塩化ビニル形状記憶樹脂を下階から挿入して圧着
⇒トラップ内面にエポキシ樹脂を塗布し、工事完了!
※T5Bは、排水トラップの製品番号です。
マンションのご売却、ご購入をお考えの方、マンション管理の財務内容改善にご関心のある方は、何かしらのかたちでやり取りをさせて頂けますと幸甚です。
⇒ shojiki.setsuyaku.mansion@gmail.com
何かご相談などありましたら、こちらまでご連絡くださいませ。
前向き(建設的)なやり取りをさせて頂きたく思います。
中古マンションを
○売りたい方(将来的でも構いません)、マンション管理の財務内
ある方
→直近2期ないし3期分の「総会議案書」を確認させてくださいま
○買いたい方、マンション名と住所をお教えくださいませ。(今の
23区内に限ります)
⇒良い部分、悪い部分含め客観的、俯瞰的、長期的な視点で寸評コ
でさせて頂きます!<私なりに中古マンションの中立公正な情報収集し、整理し、
提供していくことをライフワークとし、努力いたします。>
<2025年2月中旬から、母体のしっかりとした不動産仲介会社と業務委託の形態で仕事を行います。
マンション管理のご相談は、自身のマンションのスポット顧問契約のベテランマンション管理士、東京都マンション管理士会の厚意の方と打ち合わせをし、無償アドバイスをさせて頂きます!>
2025年1月18日
正直・節約マン(ション)
小沼
※アメーバブログでも、同様の正直節約マンションをテーマにブログを書いています。
最後の方に私の好きなサブカル系音楽等の紹介も付しまして。お時間にゆとりがありますときに。
shojiki-setsuyaku-man55さんのプロフィールページ